2018年07月14日

ペットに輸血が必要になったとき

W様、先日は輸血にご協力いただき、本当にありがとうございました。おかげで輸血を受けたワンちゃんは貧血が改善して、その飼い主様もとても喜んでいらっしゃいました。

人間の医療では輸血はめずらしいものではありません。抗がん剤の治療、手術などで輸血をして、助かる命も多いでしょう(日本赤十字社のHPでは、27年度の血液事業の収入総額は1613億円。献血量は193万リットルと膨大なものになっています)。

反対にペットの世界ではその敷居は低いとはいえないのが実情です。
日本の小動物医療の世界では、輸血のシステムがまだまだ整っておらず、通院している犬や猫に輸血が必要になったとき、その対応は動物病院次第です。

「輸血用の犬・猫を飼っているので、輸血ができます」というところもあれば、「うちは輸血用の動物を飼う余裕はない。ご自身で大きなワンちゃんを連れてきてもらえれば、その子から採血をして、輸血をします」というところもあります。

輸血にはいわゆる拒絶反応を事前にチェックする「交差適合試験」という作業も必要で、人手の少ない動物病院では輸血ができる他院を紹介することもあります。

海浜動物医療センターでは、残念ながら、まだ輸血用の動物を飼育しておりません。
そこで飼い主様のご厚意に甘えて、供血できる条件を備えたワンちゃんたちに供血をお願いしています。

輸血は突然必要になります。飼い主様にもお仕事や都合があります。そうした中でも、なんとかこちらの事情にあわせて、愛犬を連れてきて下さる方がいらっしゃいます。本当にありがたいことです。また、当院で自前の犬を飼っていないことを申し訳ないともおもっています。

人間とおなじように、輸血が必要になったとき、迅速に血液を用意できたらどんなにかいいだろうと、いつも感じます。当面は飼い主様のご協力に頼らざるをえませんが、いずれは業界全体が動いて、しっかりとした輸血システムを構築するのが理想だと、個人的には考えています。

供血に理解を示して下さる飼い主様には、スタッフ一同、大変感謝しております。W様、本当にありがとうございました。
posted by kaihin-amc at 00:04| Comment(0) | 動物病院

2018年07月10日

呼吸悪化に気をつけて下さい

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猛暑と天候不順のせいか、状態の悪いペットたちが毎日来院しています。入院する犬や猫も増えています。

呼吸悪化に苦しむ犬も目立っています。フレンチブルドッグなど、いわゆる「短頭種」と呼ぶ犬の飼い主さんは気をつけてください。
「いびきをかきやすい」「がーがーという音をたてて呼吸をしている」といった犬たちは、この暑さや湿気で一気に呼吸状態が悪化して、ときには命にかかわることがあります。
咳がとまらない、呼吸が苦しすぎて吐いている・・・そうしたときは早急にご来院下さい。時間がたつほどに症状が悪化して、治療が難しくなることがあります(手ぬぐいなどで包んだ保冷剤をのどにあてて冷やすことは、とりあえずの応急手当には有効です)。

「泥のような下痢をしている」「吐いている」、そうした症状も最近は多いです。

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西日本の豪雨では大勢の方が犠牲になっています。家族と離ればなれになったペットたちもいるのでしょうか。

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さいわい、私が住んでいる東京・江戸川区では大きな被害は出ていません。今朝は美しい空が広がっていました。写真は6時半ごろ、ほぼ真東の空です。

夜、カルテを書いている途中、事務部のKさんと雑談をしました。生きものの不思議、地球の豊かさなどについて、ちょっと話をしました。あわただしい毎日ですが、Kさんとこうした話をすることで、1日の疲れがすぅーっと薄れるようでした。

posted by kaihin-amc at 00:14| Comment(0) | 動物病院

2018年07月03日

夕空をみて、もうひとがんばりしようとおもう

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最近は夕方6時をすぎても、空が明るい。あと少しで今日の診察が終わりそうなころ、美しい夕空が広がりはじめる。

posted by kaihin-amc at 22:31| Comment(0) | 動物病院

2018年06月28日

いまさらながらの本を読みはじめる

先日、当院を担当して下さっている営業担当の方から「最近、どんな本を読んでいますか」といった趣旨の質問をいただきました。

最近はあまり本を読んでいない・・・。ちょっとずつは獣医学の勉強はしていますが、それは読書とはいえない。育児の本は机の上に6冊置いてあって、気が向いたら、どれかを手にしている程度。しいていえば、ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』を読んでいる。325ページまで読みすすめた。しおりをはさむ習慣がないので、いつもどこまで読んだかなあと探して、読みおわったところに目を通すこともある。

いまさらながらですが、カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』『わたしを離さないで』を買った。小説を読みたいという欲求がひさしぶりにわいてきたらしい。現実のことばかりを考えている毎日だからだろうか。

最近考えているのは (1) 朝、立ち寄るスーパーで「イチゴスペシャル」という菓子パンの在庫があるか、(2) その日の診療と動物の具合、(3) 夕空はきれいだろうか、(4) 夕食はなんだろう、(5) 子どもたちはもう眠っているかな・・・です。テレビはもともとほとんどみない。ゲームはしない。お酒は飲まない。あー、なんて真面目な生活でしょう。

20代のときのように、朝目覚めて「京都のお寺をみにいこう」と決めて、さっと新幹線にのって、京都のビジネスホテルに泊まって・・・なんてことができれば素敵ですが、愛する家族を置いて、そんなこともできません。

でも、いまの真面目な生活も意外と肌にあっているともおもっています。私にはひそかな夢があるのですが(ひそかといいながら、病院では公言していますが)、江戸川区と美浜区を行き来する生活だって、なかなかに刺激的です。花一輪の美しさだって、受け止めきれない豊穣。今日の夕空の1秒の美しさでさえ、的確に表現する言葉を持たない。

明日、イチゴスペシャル、あるかな。
posted by kaihin-amc at 22:51| Comment(2) | 日記

畑の話と「人間の力では変えられない厳しい現実」

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今日は非番。借りている(とても小さな)市民農園にいってきました。たまにしか野菜たちの世話ができませんが、それでも、野菜たちはがんばって成長していました。キュウリ・ナスは次々と実をつけて、エダマメ・トウモロコシは存在感を増していました。ミニトマトの収穫が開始。シシトウ・トウガラシも少しずつとれています。

最近、日曜日は毎日新聞を読んでいます。人生や命にかかわる記事が多いのと、充実した書評欄があるのが理由です。

6月24日付の毎日新聞8面には、国立がん研究センター東病院・がん相談統括専門職の坂本はと恵さんによる話がでていました。
がん医療の現場にいると、時にがんの根治が難しいなど、人間の力では変えられない厳しい現実に直面します」
「人間の力では変えられない厳しい現実」。毎日のように、私も診療の場で直面することです。緩和ケアに移行することの難しさ、飼い主さんに事実を伝える難しさ、病状をコントロールできないもどかしさ・・・自分のいたらなさもあるのでしょうが、いまの獣医療では歯が立たないものもあります。あるいは、私の表現力・コミュニケーション力の不足が、飼い主さんを救えずにいる一因になっていることもあるでしょう。そんなときには、ベテラン看護師の心のこもった言葉や接し方が、飼い主さんの力になることもあります。

日々の診療に流されて、しずかにものごとを考える習慣が遠のいていました。小堀 鷗一郎『死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者』を読んで、厳しい現実にどう向き合うのか、ヒントを得ようとおもっています。
posted by kaihin-amc at 22:32| Comment(0) | 日記

2018年06月25日

おひさしぶりです:最近の診察のこと、宇宙のこと

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おひさしぶりです。更新が滞っていました(いつも自宅のパソコンで記事を書いているのですが、原因はわかりませんが、このブログにログインできない状態になっていました)。

前回の記事から3週間。夜の緊急手術があったり、状態の悪い犬や猫の入院が相次いだり、気を緩められない毎日がつづいていました。このところの気温の変化で、体調を崩す動物も増えています。

私たちの力不足で、なかなか病状を改善できないこともありますが、ありがたいことに、日々、新患の飼い主さんがいらっしゃって下さいます。みなさんの不安な気持ちを汲み取り、期待に応えたいとおもいます。

夜7時になっても、空が明るい。昨日は夕焼けが美しかった。ひさびさにカメラを持ち出して、空をとってみる。社会が変わっても、文明が移り変わっても、地球の空はいつも美しいのだろう。ヴィム・ヴェンダース監督「ベルリン・天使の詩」には人間が登場する前の、しずかな地球の風景が描写されていたシーンがあったはずで、そこをながめている天使の姿が印象的だった。

空は宇宙とつながっている。大気圏と大気圏外の境界はあいまいで、空を見上げるということは、宇宙をのぞいていることに近いとおもう。

先日読んだ、故スティーブン・ホーキング博士の記事を取り出してみた(2018年4月22日付日本経済新聞)。

そこには博士の研究の歩みとして、こんなふうにまとめられていた。
1970年 宇宙が無限大の密度を持つ「特異点」から始まったことを証明
1971年 ブラックホールが蒸発して消滅しうることを証明
1983年 宇宙は境界条件のない無から生まれたとする「無境界仮説」を提案
無境界仮説は「虚時間という数学的な技法を用いて、空間と時間がまるで球面のように境界や端はない」という考え方らしい。

私にはむずかしすぎる話だけれど、壮大すぎる話はとても好きです。宇宙のことを考えると、明日もがんばろうとおもえる。
posted by kaihin-amc at 22:05| Comment(0) | 動物病院

2018年06月03日

「患者中心の医療」

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毎日新聞4月22日付朝刊に、中山和弘氏(聖路加国際大教授)のコラムがあった。その中で患者中心の医療に関する話が出ていました。私たち動物病院のスタッフにも参考になる点が多々あると感じました。備忘録を兼ねて、ここにアップしておきます。

どの質問にも「はい」と答えてもらえるような、そんな獣医療を提供できたらとおもう。
posted by kaihin-amc at 22:39| Comment(0) | 動物病院

2018年05月31日

みなの自己紹介を聞いて、たとえばAさんとコーヒーの物語

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とある水曜日、4月からともに診察している三上獣医師・山根獣医師をはじめ、病院スタッフそれぞれが自己紹介することになって、みなのそれぞれの人生や趣味や家族の話などを聞きました。

いつも一緒に働いているのに、みなのことの一部しか知っていないのだなあ、という当たり前のことをしみじみとおもいました。
こんなにいろいろな経歴や生き方をしている人たちと一緒に働けることのありがたさを感じるとともに、みなの力に少しでもなれるようにしないとな、と気が引き締まるおもいがしました。

写真はエスプレッソ。看護師のAさんの自己紹介にコーヒーが登場したので。そうかあ、Aさんはいろいろなところで働いたことがあるんだなあ。その事実を知っただけで、なんだかAさんの魅力が10倍ほど高まったとおもう。Aさんは私が知らない土地の、知らない風景や知らない人たちを知っている。

ほかの人たちもゆたかな物語を生きている。そんなみなからの影響を受けて生きていけたらともおもっています。

長田弘さんの詩集『世界は一冊の本』から「旧師の死」の一部を引用します。

わずか23歳で死んでいった
ダルムシュタットの詩人の言葉。

いちばんつまらない人間だって
結構、偉大なものさ----

そいつを愛するのにも、人間の
一生じゃとても短すぎる----
posted by kaihin-amc at 01:07| Comment(0) | 動物病院

内田さん、長い間、ありがとうございました

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いつも優しい笑顔で飼い主の皆さんに接して下さった、受付スタッフの内田さんが退職しました。勤続10年。本当にお疲れ様でした。

受付は病院の顔です。「この病院で大丈夫だろうか」、そんな不安を持ちながら来院する飼い主さんにとって、内田さんの柔和な表情や物腰はきっと大きな励ましになっていたにちがいないとおもう。

私たち獣医師や看護師のミスを会計前に発見することもたびたびあって、私は幾度も内田さんの注意力に助けていただいた。本当にありがとうございました。

飼い主さんの心に寄り添えるスタッフが去ることはさみしいですが、内田さんの決断を応援したいとおもっています。

長い間、お疲れ様でした。愛犬を連れて、いつでも遊びにきて下さいね。
posted by kaihin-amc at 00:41| Comment(0) | 動物病院

2018年05月25日

かわいいそっくりさん

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M家のアメリカン・コッカー・スパニエルです。とってもかわいいですね。
posted by kaihin-amc at 22:28| Comment(0) | 動物病院