2016年07月31日

実習生を受け入れています いまは獣医大学5年の Sさんが実習中

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いま、獣医大学5年の学生が実習にきています。実習生が診察に同席することがあります。獣医師の卵を育てていることをご理解いただければ助かります。

獣医大学では6年間、獣医学を学びます。内科学、外科学、繁殖学、生理学、薬理学、馬学、寄生虫病学、魚学、公衆衛生学、獣医衛生学、放射線学・・・など学問分野はさまざまですが、実践的な知識・技術を身につけられるかといえば、実はなかなかむずかしいのが実情です。たいていの職業がそうであるように、獣医師の仕事も、臨床現場で地道に・コツコツと学ぶしかない。

実習ではこまかな知識を学ぶことが目的ではありません。そんなものは日がたてば、すっかり忘れるはずです。
それよりも、どんな飼い主さんがいて、飼い主と獣医師がどんなふうに会話をして、つまりはどのようにコミュニケーションしているか、それを学ぶことが一番大切です。コミュニケーション能力が高い人は、獣医師に向いているでしょう。動物が好き、というのは獣医師にとって当たり前のことであって、人間が好き、という心のあり方こそ、より重要なポイントだとおもいます。

いま来ている学生さんの実習は5日目となる日曜日でおわります。模範的なコミュニケーションの現場を見せられているわけではありませんが、コミュニケーションが大切なんだ、ということをわかってもらえたら、実習は成功です。どうでしょう、そうおもってもらえているでしょうか。

実習に来る学生は、「そのころの自分よりしっかりしているなあ、えらいなあ」とおもう人ばかりです。初々しさもみていて、うれしいですね。

写真は、獣医学生時代などに作っていたパスタ。一人暮らしで面倒なときには、パスタの登場です(私の得意料理はペペロンチーノ、小麦粉から作るカレー、パエリア、プリン)。
posted by kaihin-amc at 00:21| Comment(0) | 動物病院

2016年07月27日

国内ペット医療市場 =( 人用インスリン A商品の売上高)の4分の1

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「猫が糖尿病になる、そんなこと、考えもしなかったです」
「犬も歯みがきが必要なんて、飼いはじめたときは知らなかった」

ペットが長生きするようになって、犬や猫にも生活習慣病のような病気が目立つようになりました。それにともなって、動物用医薬品の数も少しずつ増えてきています。

実は動物病院が処方する薬の少なからぬものが、人体用の薬です。世界で100兆円ともいう人体用医薬品のマーケットでは、大企業が莫大な資金を投じて、次々と新薬を開発・発売しています。一方で、市場規模がはるかに小さい動物用の薬では、人のようにはなかなか新薬が登場しません。そこで人体用の薬を動物に使っているわけです。用量などは体重や動物種で変えています。

それでも近年はいろいろなメーカーが犬専用、猫専用の薬を開発、動物病院に供給するようになってきています。ありがたいことです。

つい先日、糖尿病の猫に使えるインスリン製剤が発売されました。いままでは人体用の商品を使っていましたが、今後はこの新商品を使えるようになります(ちなみに、この人体用インスリンの世界売上高は、たった一種類で8000億円ほどになるという。国内のペット医療の市場規模は2100億円ほどだから、人と動物ではマーケットの大きさに雲泥の差があるのがわかります。このあたりの数字は、私がざっとネット上の資料を拾い読みしたもので、正確性に欠けるかもしれません。時間があるときに、信頼できる情報を改めて提供します。まずはおおまかに把握できればとおもって、あえて記載しました)。

新薬が登場するときには、メーカーの学術担当の方などにお願いをして、院内でセミナーを開いていただきます。特徴から副反応(いわゆる副作用)まで、さまざまな点について質問・学習して、実際の臨床現場で使うメリットがあるか判断します。

新薬だからといって、何でもかんでも採用するわけではありません。効能・投薬のしやすさ・価格、動物や飼い主にとってのメリット・デメリットを考えます。ときには高い薬であっても、それを上回るメリットがあれば、積極的に飼い主のみなさんにすすめていきます。

posted by kaihin-amc at 00:03| Comment(0) | 動物病院

2016年07月25日

哺乳類の半分以上は・・・

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恐竜はいいなあとおもう。ばかみたいにビッグサイズで、奇妙奇天烈な形をしていて、大昔に生きていて。あんなものが三畳紀・ジュラ紀・白亜紀のだいたい1億6000万年も生きつづけていたなんて、夢みたいな話だ。

そんなに長い間、地球にいた恐竜。いままで発見されたのは、1000種類ほどにすぎないと聞いたことがあります。さすがに億年単位で消えずにいる化石は少ないのかもしれません。

「世の中には人間以外の生きものがいっぱいいる、人間以外のことも知りたい」

私が獣医師になった理由のひとつは、そんなおもいからでした。恐竜は獣医師が診察しようがない動物ですが、人間以外の生きもの、もう少し具体的にいえば、地球には哺乳類・鳥類・魚類・昆虫・細菌、ほかにもいろいろな生きものがいます。
そして、人間が属する哺乳類の種類は5500ほどだという。そのうちの2000種以上がネズミの仲間、1000種以上がコウモリの仲間。つまりは哺乳類の半分以上はネズミかコウモリということになります(『プチペディアブック せかいの動物』参照)。

地球には実に多種多様な生きものがいますが、ある動物が別種の動物の健康状態を検査したり、治療したりするのは、人間しかいません。考えると、とても不思議なことです。

「人間が犬の病気を治療する」
「人間が鳥の身体検査をする」
「人間が猫の手術をする:

動物病院では当たり前のことですが、種を超越したこうした行為の不思議さを、ふと、診察が終了した夜などに、おもうことがあります。

さて、今日は本当は猫用インスリンが発売されたので、そのことに関連した話題にしようとおもったのですが、本題に入る前が長すぎたようです。いまは夜も更けましたので、つづきは今度にしましょう。
posted by kaihin-amc at 00:56| Comment(2) | 動物病院