2018年06月28日

いまさらながらの本を読みはじめる

先日、当院を担当して下さっている営業担当の方から「最近、どんな本を読んでいますか」といった趣旨の質問をいただきました。

最近はあまり本を読んでいない・・・。ちょっとずつは獣医学の勉強はしていますが、それは読書とはいえない。育児の本は机の上に6冊置いてあって、気が向いたら、どれかを手にしている程度。しいていえば、ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』を読んでいる。325ページまで読みすすめた。しおりをはさむ習慣がないので、いつもどこまで読んだかなあと探して、読みおわったところに目を通すこともある。

いまさらながらですが、カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』『わたしを離さないで』を買った。小説を読みたいという欲求がひさしぶりにわいてきたらしい。現実のことばかりを考えている毎日だからだろうか。

最近考えているのは (1) 朝、立ち寄るスーパーで「イチゴスペシャル」という菓子パンの在庫があるか、(2) その日の診療と動物の具合、(3) 夕空はきれいだろうか、(4) 夕食はなんだろう、(5) 子どもたちはもう眠っているかな・・・です。テレビはもともとほとんどみない。ゲームはしない。お酒は飲まない。あー、なんて真面目な生活でしょう。

20代のときのように、朝目覚めて「京都のお寺をみにいこう」と決めて、さっと新幹線にのって、京都のビジネスホテルに泊まって・・・なんてことができれば素敵ですが、愛する家族を置いて、そんなこともできません。

でも、いまの真面目な生活も意外と肌にあっているともおもっています。私にはひそかな夢があるのですが(ひそかといいながら、病院では公言していますが)、江戸川区と美浜区を行き来する生活だって、なかなかに刺激的です。花一輪の美しさだって、受け止めきれない豊穣。今日の夕空の1秒の美しさでさえ、的確に表現する言葉を持たない。

明日、イチゴスペシャル、あるかな。
posted by kaihin-amc at 22:51| Comment(2) | 日記

畑の話と「人間の力では変えられない厳しい現実」

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今日は非番。借りている(とても小さな)市民農園にいってきました。たまにしか野菜たちの世話ができませんが、それでも、野菜たちはがんばって成長していました。キュウリ・ナスは次々と実をつけて、エダマメ・トウモロコシは存在感を増していました。ミニトマトの収穫が開始。シシトウ・トウガラシも少しずつとれています。

最近、日曜日は毎日新聞を読んでいます。人生や命にかかわる記事が多いのと、充実した書評欄があるのが理由です。

6月24日付の毎日新聞8面には、国立がん研究センター東病院・がん相談統括専門職の坂本はと恵さんによる話がでていました。
がん医療の現場にいると、時にがんの根治が難しいなど、人間の力では変えられない厳しい現実に直面します」
「人間の力では変えられない厳しい現実」。毎日のように、私も診療の場で直面することです。緩和ケアに移行することの難しさ、飼い主さんに事実を伝える難しさ、病状をコントロールできないもどかしさ・・・自分のいたらなさもあるのでしょうが、いまの獣医療では歯が立たないものもあります。あるいは、私の表現力・コミュニケーション力の不足が、飼い主さんを救えずにいる一因になっていることもあるでしょう。そんなときには、ベテラン看護師の心のこもった言葉や接し方が、飼い主さんの力になることもあります。

日々の診療に流されて、しずかにものごとを考える習慣が遠のいていました。小堀 鷗一郎『死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者』を読んで、厳しい現実にどう向き合うのか、ヒントを得ようとおもっています。
posted by kaihin-amc at 22:32| Comment(0) | 日記

2018年06月25日

おひさしぶりです:最近の診察のこと、宇宙のこと

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おひさしぶりです。更新が滞っていました(いつも自宅のパソコンで記事を書いているのですが、原因はわかりませんが、このブログにログインできない状態になっていました)。

前回の記事から3週間。夜の緊急手術があったり、状態の悪い犬や猫の入院が相次いだり、気を緩められない毎日がつづいていました。このところの気温の変化で、体調を崩す動物も増えています。

私たちの力不足で、なかなか病状を改善できないこともありますが、ありがたいことに、日々、新患の飼い主さんがいらっしゃって下さいます。みなさんの不安な気持ちを汲み取り、期待に応えたいとおもいます。

夜7時になっても、空が明るい。昨日は夕焼けが美しかった。ひさびさにカメラを持ち出して、空をとってみる。社会が変わっても、文明が移り変わっても、地球の空はいつも美しいのだろう。ヴィム・ヴェンダース監督「ベルリン・天使の詩」には人間が登場する前の、しずかな地球の風景が描写されていたシーンがあったはずで、そこをながめている天使の姿が印象的だった。

空は宇宙とつながっている。大気圏と大気圏外の境界はあいまいで、空を見上げるということは、宇宙をのぞいていることに近いとおもう。

先日読んだ、故スティーブン・ホーキング博士の記事を取り出してみた(2018年4月22日付日本経済新聞)。

そこには博士の研究の歩みとして、こんなふうにまとめられていた。
1970年 宇宙が無限大の密度を持つ「特異点」から始まったことを証明
1971年 ブラックホールが蒸発して消滅しうることを証明
1983年 宇宙は境界条件のない無から生まれたとする「無境界仮説」を提案
無境界仮説は「虚時間という数学的な技法を用いて、空間と時間がまるで球面のように境界や端はない」という考え方らしい。

私にはむずかしすぎる話だけれど、壮大すぎる話はとても好きです。宇宙のことを考えると、明日もがんばろうとおもえる。
posted by kaihin-amc at 22:05| Comment(0) | 動物病院