2017年02月20日

命の長さ、あるいは短さについて考えるとき、ローマ皇帝の言葉を思い出します

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毎日があっという間に過ぎていきます。午前の診療を終え、昼に検査・手術をして、午後の診療。気がつけば、もう夜になっています。帰宅後もちょっと本を読んだだけで、真夜中。1日24時間では足りないと感じている毎日ですが、こんなふうな毎日の重なりが、人生と呼ぶものになるのだろう。それはそれでいいものだとおもっています。

自分の命も永遠ではありません。自分にあたえられた分だけの命を生きられれば十分です。

それでも、やはり、死はかなしい。ペットたちの死もおなじです。人間でいえば、100歳以上の長生きをしたペットが天寿を全うしようとするとき、どれだけ覚悟しようとおもっても、やはり永遠に失われようとするその命が1秒でも長く生きながらえてほしい、そうおもうのが家族でしょう。

私はそんなご家族に適切な声をかけられずにいます。言葉にできないほどの思い出を持ったご家族に、一体どんな言葉をかければいいのか、いつも不器用なことしか言えません。

私が死について考えるとき、思い出すのは、第16代ローマ皇帝のマルクス・アウレーリウスの言葉です。その言葉が物事を解決するわけではありません。ただ、その言葉はあきらめではありません。あたえられたときが満ちたのだと自分を納得させるために必要な言葉です。私には慰めの力にもなる言葉なので、ここで紹介しておきます。出典は神谷美恵子訳『自省録』(岩波文庫)。
自分の目方が何貫目かで、三百貫目ではないといって君は嘆くだろうか。それと同様に、君の寿命が何年かで、それより長くないといって嘆くべきではない。君に割りあてられた物質の量だけで満足しているように、時についても同じく満足せよ。


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2017年02月19日

鳥の話 アホウドリは生涯で600万キロメートルを飛ぶ

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天気がいい日は、それだけでうれしい。

病院にはときおり、調子の悪い鳥がやってきます。セキセイインコやオカメインコ、文鳥といった小鳥、あるいは怪我をした野鳥(ハトやカモ)たちです。鳥の専門医、というものはないので、私たちがみられる範囲で診察しています。たった数十グラムの体に、私たちとおなじ臓器がつまっていて、しかも自由にはばたける。驚異的ないきものです。

ずいぶん昔のナショナルジオグラフィック誌が、アホウドリの特集を組んでいました。鳥をみて思うのは、鳥が属する世界の広さについてです。人間が大地に属するように、鳥は空に属する。
アホウドリは、この世で最も雄大な鳥だ。骨と筋肉と翼を機械のように操って、風にうまく乗り、弓から放たれた矢のように空を飛ぶ。体には、幾何学的で印象に残る模様と、くっきりとしたラインが描かれている。親鳥は、ヒナの餌を求めて時には1万5000キロも飛ぶことがあるが、かならず家族の元へと戻る。現生の生物では最長を誇るその翼は、広げると最大3.5メートルにもなる。この長い翼を巧みに操り、ほとんど羽ばたくことなく、数百キロも滑空して大海原を渡り、世界を周遊するのだ。アホウドリは長生きで、50歳を迎える頃には総飛行距離が600万キロに達するという。


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2017年01月31日

動物病院にペットを預ける不安

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家族の一員である愛犬・愛猫を動物病院に預けるということは(それは日帰り入院だったり、数日にわたる入院だったり、さまざまですが)、その家族にとっては、どんなさみしさや不安をもたらすものだろうかと、ときおりおもうことがあります。

獣医師である私からすれば、点滴治療や手術には入院が必要なことは当たり前です。

でも、ご家族にとっては、突然「かなり肝臓が悪いです。何日間か点滴しましょう。入院しましょう」という話が出たとき、「この子はとてもさみしがりやだから」「いままで外に預けたことがないから、ひとりぼっちでも大丈夫かしら」・・・そんなふうにおもうのは当然といえば当然です。自分より小さな体のペットたちを、不慣れな病院においていって、自分たちだけが自宅に帰る。それはつらいことかもしれません。

私にとってはペットたちを入院させ、治療したり、手術したりすることは日常的なことです。働きなれた病院をこわがることもなければ、不安になることもありません。そうした自分の感覚とペットたち・その飼い主さんたちの感覚の大きなずれを、忘れてはならないとおもっています。

こわがりな犬なら声をかけながらそっと抱き上げたり、デリケートな猫なら部屋を暗めにして静かな環境にしたり、少しでも不安を和らげられるよう、工夫をします。

飼い主さんに対しても、疑問や不安にできるだけこたえられるようにしたいと願っています。でも、まだまだたりないところもあります。入院点滴している様子をご覧いただいたり、入院中の様子を伝えたり、工夫はしていますが、改善の余地も大きいです。

獣医師はどうしても治療や検査の話に力がはいります。それとおなじように、飼い主さんの不安に耳を傾けることも大切です。まだ、それを十分にできていないことも自覚しています。少しずつでも改善できればと考えています。
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2017年01月23日

祈る

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ブログの更新が滞っていました。
書きたい内容はいろいろとあって、「今日はこれを書こう」とおもっていると、自分がみていた動物の状態が悪化したり、寿命を全うしたり、飼い主さんの悲痛な声を聞いたり、そんな出来事が重なって、なかなか記事をアップできずにいました。診療は診療、記事は記事なのでしょうが、大切な家族の一員が苦しんでいるときに、担当の獣医師が楽しそうな文章を書いているのを知ったら・・・そうおもって、キーボードをうてずにいることもあります。

もちろん、毎日、元気な動物たちもやってきて、飼い主のみなさんと楽しい会話をすることもあります。要はバランスのとれた記事を書いていけばいいのかもしれません。

月曜日は状態の悪いペットたちが次々とやってきました。明日を迎えることができるか、そんな犬や猫たちも診察しました。

いま、この記事を書いている場所からも、点滴をしている動物たちの気配が伝わってきます。さまざまな薬を投与して、痛みをとって、あたたかにして、酸素をかがせて・・・西洋学的な治療を一通りしたら、あと私たちにできることは、声をかけたり、なでたり、見守ったり、あるいは祈ったり、つまりは非科学的な「治療」だけです。そして、私たち以上に回復を祈っているのは、飼い主の方々です。動物のため、飼い主のため、できるだけのことをしていきます。

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2017年01月03日

3日も診察いたします(予約診療)

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通常診療は4日からです。
3日も引き続き、予約診療をおこなっております。「病院に連れていったほうがいいのだろうか」「4日まで様子をみても大丈夫なのだろうか」、そんな悩みがありましたら、早めにお電話下さい。最終的には診察しないとたしかなことは言えないことが多いのですが、心配しすぎて無駄なことはありません。

写真は実家の猫。黒猫を写真に撮るのはむずかしいですね。
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2017年01月02日

本年もよろしくおねがいいたします

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2017年最初の診療日となった1月1日、さまざまな症状の、さまざまな動物たち(犬・猫・うさぎ・鳥)がやってきました。新年早々、大切なペットが吐いたり、痛そうにしていたり、そんな姿をみて、心を痛めている飼い主のみなさんが不安そうな表情でやってきました。
お正月に診察にいらっしゃるほどですから、重い病気の動物たちもいます。「明日2日も診察にいらっしゃって、治療の反応を診させて下さい」、そんなふうにお願いすることもありました。

2日、3日とも病院の電話は午前9時から午後7時までつながります。
「病院にいこうか、どうしようかな」と迷っている方は、まずはお電話にてご相談下さい。
いつもより少ない獣医師・看護師でやっておりますので、症状によっては、診察までにお時間がかかることがありますが、できるだけ、柔軟に対応したいと考えております。

1日は私畠が診察を担当いたしました。明日は獣医師二人が診察にあたります。

今年も少しでもよりよい動物病院になれるよう、スタッフ一同、努力と工夫を重ねていきます。どうぞよろしくおねがいいたします。
posted by kaihin-amc at 00:06| Comment(0) | 動物病院

2016年12月25日

クリスマスケーキ

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日曜日、診察そのものは混み合わなかったものの、状態の悪いペットたちが目立ちました。異物誤飲の疑いがある犬・猫は4、5頭はいたでしょうか。腫瘍や子宮疾患、発作の動物もいました。

年末年始を控え、愛するペットが苦しんでいる姿をみるのは、飼い主にとっては大きなかなしみだとおもいます。

休日であっても、休憩中であっても、具合の悪い動物たちのことは頭から離れません。それでも、ささやかでも、クリスマスをお祝いしたいというきもちはあります。そこで、忙しい昼の短い時間を使って、集まれる人たちだけでクリスマスをお祝いしました。Sさんが用意したケーキにロウソクをたてて、みなでフゥーッ。プレゼント交換会をおこない、再び仕事に戻りました。

カットしておいたケーキをいただいたのは、夜の8時半ごろだったでしょうか。おいしかった。

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2016年12月24日

年末年始の診療時間をお知らせします

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年末年始の診療時間をご案内します。

12月31日は午後のみ休診します。午前はいつもとおなじです(受付時間 8:00 - 11:30 )。

三が日は予約診療をいたします(海浜動物医療センターのみ)。
来院する前に、お電話をいただきますよう、お願いいたします。電話番号は、043 -204 - 8181 です。
「吐いている」「元気がない」「痛がっている」・・・どんな症状でも構いません。まずはお電話にてご相談下さい。症状と混雑状況によって、診察時間をお伝えします。

新年は4日より、通常診察いたします。
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2016年12月19日

コーラ1本で過ごす日もあります

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午前の診療が長引いたり、手術や検査がいっぱいある日などは、昼食をとれないときがあります。そこで頼りにしているのが、コーラによるエネルギー充填。一過性に血糖値をあげるだけで、効果はどうかなあという意見もありますが、コーラがだいすきな私にとっては、空腹時に一気に流し込むコーラほど、うれしいものはない。

手術前、気合をいれるときにもコーラを手にすることがあります。もともとはコカ・コーラ党だったのですが、病院にある自動販売機でペプシ・コーラを買っているうちに、ペプシ派に変わりました。

高校時代の陸上部時代、炭酸飲料は控えるほうがいい、との恩師の言葉があって、長い間、炭酸飲料を口にすることはありませんでした。その反動でしょうか、いまは結構、コーラを飲んでいます。
posted by kaihin-amc at 01:36| Comment(2) | 動物病院

2016年12月17日

高齢のペットのお世話で困っていませんか

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ペットの高齢化が話題になってきています。
海浜動物医療センターにも、毎日、長寿の動物たちがやってきます。犬、猫、うさぎ、フェレット、小鳥・・・いろいろなペットたちが10年、20年という時間を生きています。先日やってきた猫さんは24歳。海浜動物医療センターのT看護師よりも年上です。

家族の一員として暮らしてきた動物たちが長生きするようになったことは、本当によろこばしいことです。
ただ、長寿ゆえにだんだんと体が弱るのは、ひとも動物もおなじです。

「あんなに元気に走り回っていたのに、いまは横になったままです」
「夜中、数時間ごとにおしっこやうんちで汚れた体をきれいにしています」
「固形食はむずかしい。流動食をなんとか口にしている」

特定の病気にかかっていなかったとしても、老化によるいろいろな問題はさけられません。
「夜、大声で鳴きつづける。近所からの苦情も来ていて困っている」、いわゆる認知症も大きな問題です。

こうした問題を、ご家族だけで引き受けていませんか。がまんをしていませんか。

私たち海浜動物医療センターでは、高齢動物とそのご家族が直面するいろいろな問題・病気について、いつでも相談にのっています。
いままではご家族の献身・自己犠牲的な努力によって、こうした問題をなんとかこなしてきたことでしょう。でも、熟睡もできないし、先行きも不安だし、なによりも、なにがいいことなのか、どうしてあげればペットのしあわせなのか、わからないことも多いでしょう。

長生きはしてほしい。でも、このままの生活だと体がもたない、そんな声をうかがうこともあります。そこまでの状態ではなかったとしても、愛する・老いたペットのことで不安や悩みがあれば、ぜひ相談していただければとおもいます。獣医療、看護、行動学など、さまざまなアプローチから、ペットとご家族を手助けいたします。

たまには一息つきたい。そのために、私たちにペットを預けて下さっても大丈夫です。うんちやおしっこを垂れ流しでも、そのお世話もします。夜の大鳴きで、苦情が来ているなら、お預かりもできます。

正直にいえば、簡単に答えの出ない問題もあります。試行錯誤をかさねながらでも、ご家族のみなさんと協力しながら、愛するペットとのよりよい関係を築けたらとねがっています。

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平均寿命をはるかに上回る、とても長生きなペットもいます。死がさけられない状態のシニアの動物たちも、動物病院にはやってきます。それでも「もう、年寄りだから・・・」と、私たちはさじをなげません。

死をどうにかすることはできませんが、生をよりよいものにすることはできる、そう信じています。

どんなささいなことでも大丈夫です。いつでもご相談下さい。
posted by kaihin-amc at 00:30| Comment(0) | 動物病院